なぜドイツ音名を使うのか?
ドレミじゃ伝わらない
私が中学生のとき。
トロンボーンと同じメロディを吹いているホルンの同級生に
「シド、にスラーついてるやんねぇ?」と確認したら
「シド?ファソ、やろ?」と言われました。
どうしてドレミで伝わらないのでしょうか?
ドレミはいろいろあります
実は、楽器の種類によって
「ド」って違う音なんです。
え~、じゃあ
私が「ド」って思ってる音を
ホルンの子に伝えるには
なんて言えばいいの!?
そんな時に使うのが ドイツ音名 です。
なぜドイツ音名だと通じるの?
ずばり答えは
どの楽器も、Bは同じ音を指すからです。
詳しく説明します。
ドは、その楽器で出しやすい音
その楽器で1番出しやすい音を
「ド」と名付けています。
そして、出しやすい音は
楽器の長さによって異なります。
たとえば
- トランペット→ドイツ音名B
- フルート→ドイツ音名C
- ホルン→ドイツ音名F
- アルトサックス→ドイツ音名Es
を「ド」と呼びます。
※分かりやすくするため、ザックリした説明です。
最初に覚えるドイツ音名はB
合奏前にチューニングします。
チューニングの音のこと
なんて言います?
そう「ベー」ですね。
これがドイツ音名「B」です。
吹奏楽部で最初に教わるドイツ音名、
という方が多いのではないでしょうか。
ちなみに、各楽器の「B」
ドレミ読みするとバラバラになります。
- トランペット→ド
- フルート→シ
- ホルン→ファ
- アルトサックス→ソ
せっかくなので、ドイツ音名を覚えて
他の楽器の人とスムーズにコミュニケーションとりませんか?
ドイツ音名の読み方
アルファベットで表記しますが
ドイツ語なので、発音が英語と異なります。
※アルファベットの順番は変わりません。
使うアルファベットは
ABCDEFGH の7つ。
アーベーツェーデーエーエフゲーハー
と発音します。
A→アー
E→エー
混同するかもですが
ドイツ語は「ローマ字読み」します。
ちなみに
◆ドイツ読み→オーケストラや吹奏楽
◆英語読み→ポップスやジャズ
で使います。
ドイツ音名はBdurから覚えましょう
トロンボーンのドレミは2種類
トロンボーンにおいて
Bdurのドレミは2種類あります。
①ドレミファソラシド
②シドレミファソラシ
どちらも正解です。
教える人によって
Bを「ド」と呼ぶか「シ」と呼ぶかの違いで
出る音はどちらも「ドイツ音名B」です。
ドレミはそのままで構わないので
「自分がドと呼ぶ音」が「ドイツ音名のなにか」を
覚えていきましょう。
Bdurをドイツ音名で覚えよう
ちなみに「B」の音を
あなたはドと呼びますか?それともシ?
◆B=ドと読む人
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド |
B | C | D | Es | F | G | A | B |
◆B=シと読む人
シ | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
B | C | D | Es | F | G | A | B |
と覚えてください。
音符の位置とドイツ音名
把握できましたか?
それでは、Bdurでは
EsとBにフラットが付いていることに
注目しつつ、次の項目をご覧ください。
フラット、シャープが付いたら語尾が変わります
最初に書いたアーベーツェー…には
フラットもシャープも無い状態の音名です。
以下のように、語尾が変化します。
フラット→語尾にes(エス)
シャープ→語尾にis(イス)
※音名ごとに覚える、というよりも
このルールを理解しておけばOKです。
※BdurにでてきたEsとBはフラットがついています。。
なにもなしだとEとHになります。
一度に全部覚えるのは大変ですよね。
Cesを「ツェス」と言えなくても
「ツエーのフラット」と言えれば
意思疎通はできるので
まずはBdurのドイツ音名から
慣れていきましょう☆
(おまけ)音階の名称は開始音
これは豆知識として書くので覚えなくてOK
何となく知っていると
これからの練習がスムーズになるので
頭の片隅に置いておくと便利な情報です。
音階練習って
Bdurから始まって
Fdurとか
Esdurとか
種類が増えていくと思います。
「dur(ドゥア)」とは
ドイツ語で「長音階(=長調の音階)」を意味し
最初についている
「B」「Es」「F」というのが
音階の開始音を表します。
そして
短音階=短調の音階を
「moll(モール)」と呼びます。
英語だと
長調=major(ドイツ語dur)
単調=minor(ドイツ語moll)
です。
お手元の音階、なんて書いてあるか
ぜひ確認してみてください♩
まとめ
ドレミは
楽器ごとに変わる音名なので
同じ楽器の人としかお話ができません。
ドイツ音名は
音そのものに決められているので
どんな楽器の人ともお話ができます。
ぜひドイツ音名を使って
いろんな楽器の人と
より良い音楽を作っていきましょう!
なお、音楽には
「楽器で音が出せる」だけでなく
「楽譜の内容を理解する」ことも必要です。
ドイツ音名のほか
・リズム
・楽語
・アーティキュレーション
なども知る必要があります。
「えっ、、そんなに」
と不安になるかもしれませんが
ひとつずつ慣れていけば大丈夫です。